皮と革の違いについて

革財布など、革製品には「革」という漢字を使います。
しかし、これは元々は動物の「皮」であったものです。
同じ動物から取れた「かわ」がなぜ違う漢字で表現されるのでしょうか?

動物から取った生の皮は、肉や内臓と同じたんぱく質や脂などで構成されているため、やがて腐ってしまいます。
そこで、革製品を作る際には、動物から取った生の皮から脂など腐敗するものを取り除き、タンニンなどに浸してたんぱく質に耐久性を与えます。
そして、腐敗することなく、皮を保護して滑らかにする物質を染み込ませて、革に仕上げるのです。
このように、動物から取った「皮」を、様々な工程を通して長く使える「革」へと仕上げる工程を「なめし」といいます。

革製品が大量に作られるようになると、なめしの工程は「タンナー」と呼ばれる専門の職人が行うようになりました。
かばんや財布などを作っているメーカーは、なめしを専門に行っている革メーカーから、なめし済みの革を購入して製品を製造しています。

なめしの手法の歴史

革は原始時代から、衣類や道具に使われてきましたが、この頃は皮を煙で燻して防腐処理をする程度でした。
やがて、植物の渋のタンニンでなめす方法が取られるようになります。
その後も、石灰に漬けたり、脂などの保護剤を染み込ませたり、どんどん頑丈で美しく仕上げる技術が蓄積されてきました。
近代になると、クロムなどの金属の薬品でなめす方法が確立されます。低コストで大量になめすことができるため、現在ではこの方法が主流となっています。

現代のなめしの主な手法

現在のなめしは、伝統的なタンニンなめし、安く大量生産するための工業的なクロムなめし、両者のハイブリッド型の混合なめしなどが使われています。
革が工業製品として大量生産される現代は、クロムなめしが主流になっています。
しかし、近年、伝統的なタンニンなめしも見直されてきています。


①タンニンなめし
昔から行われてきた伝統的ななめしの手法です。
植物から抽出したタンニンを皮に浸透させることで、皮の耐久性を上げます。
使われるタンニン剤にも様々な種類があります。
たくさんの工程が必要になるため、コストは高めになります。
型崩れし難く頑丈で、吸水性が良い特徴があります。


②クロムなめし
近代主流になったなめし方法で、クロムの水溶液を皮に浸透させ、皮の耐久性を上げます。クロム以外の金属を使った薬剤もあります。
コスト面でタンニンなめしよりも優れているため、現在は多くの革製品がこの手法を用いて作られています。
やわらかくしなやかで、吸水性が低い特徴があります。


③混合なめし
タンニンとクロムなど2種類以上のなめし剤を使用してなめす手法です。
2種類以上のなめし剤を使うことにより、それぞれの弱点を補うことができます。

なめし後の加工

なめしの工程で革が完成すると、これを加工して革製品が作られます。
また、なめし後にさらに加工を加えて、特徴ある革に仕上げることもあります。


①ヌメ革
タンニンなめしで作られたままの状態の牛革を「ヌメ革」と呼びます。
なめしたままの状態で、表面に加工を施していないため、一つ一つ違う牛の皮の持つ表情が出ます。
また、日焼けなどによって色が変わってゆく経年変化が出やすく、皮を育ててゆく楽しみが最も楽しめます。ブラウン系の色を選べば、「あめ色」と呼ばれる何ともいえない味わいのある色に育ちます。
一方、表面の強化などが行われていたないため、表面に傷などは比較的つきやすいので注意が必要です。革自体は頑丈です。


②ブライドルレザー
ヌメ革に、何度も何度も繰り返しロウを塗りこんで作られます。
非常に強度が高く、主に馬具などに使われてきた革です。
染み込んだロウが革の表面に浮き出て、粉をふいたようになっている見た目が特徴です。
染み込んだロウに保護され、劣化し難く、見た目も変わり難くなっています。


③オイルレザー
ヌメ革に、オイルを染み込ませて、しなやかに頑丈に仕上げた革です。
染み込んだオイルに保護され、劣化し難いのが特徴です。


④型押しレザー
主に牛革の表面に、プレスによって様々な模様をつけたもの。
うろこの模様をつければ、牛革が擬似クロコダイルなどに早変わり。
クイルマークのような凹凸をつければ、牛革が擬似オーストリッチに早変わり。
安物の革財布ですと、このような牛革を使った擬似革が使われている可能性もありますので注意しましょう。


⑤エナメルレザー
なめしを施した革の表面に、樹脂を塗って、表面をテカテカに仕上げたもの。
一見ビニールにも思えるほどテカテカ光り輝く表面になる。

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